
猫の皮膚の特徴
猫は、犬ではありません。猫の皮膚は、犬の皮膚と大きく違っています。猫の皮膚は犬に比べると、大変薄く出来ており、よく伸びます。猫の被毛は、犬に比べると大変やわらかく、細く出来ています。猫と犬とでは皮膚が大きく違っているのだから、皮膚に起こる病気も違っています。猫を、ニャーとなく犬と考えてはいけません。

猫によくある皮膚病
猫アトピー皮膚症候群
猫が体を痒がっていれば、猫アトピー皮膚症候群を疑いましょう。アトピー自体はよく耳にするかもしれませんが、猫のアトピー皮膚症候群は、人のそれとは違う定義の違う病気です。犬アトピー性皮膚炎とも違う病気です。猫が体をしきりに舐めている、咬んでいる、毛が薄くなってきた。そのような場合には、猫アトピー皮膚症候群を疑ってみましょう。
原因と治療について
この検査を行えば、猫アトピー皮膚症候群と診断できるものはありません。いくつかの項目を検討し、どれに該当するのかで診断を進めていくことになります。また、真菌症(カビの感染)など猫アトピー皮膚症候群と症状では区別がつかない皮膚の疾患もあるため、除外診断も重要となります。
皮膚糸状菌感染症
糸状菌とは、動物の毛や皮膚に感染するいわゆる真菌(カビ)のことで、この感染によって、皮膚が赤くなったり、掻いたり、毛が抜けたりする疾患です。「よくある」とまでは言い過ぎですが、特に新しく家族に迎え入れた後などは、要注意でしょう。「案外多い」と言っても過言ではありません。これは感染症なので、猫だけでなく人間にも「うつる」可能性があるため、見逃すわけにはいきません。
原因と治療について
糸状菌感染症の治療は、抗真菌薬(カビを殺す薬)の内服になります。外用薬やシャンプーも効果があるものもありますが、弱いでしょう。特に猫の糸状菌感染は「しつこい」ので、きっちり内服で治療することをお勧めしています。また、猫の行動範囲にカビが落ちているので、自宅の掃除、消毒の徹底も重要になります。

症例紹介
Case Studies


Case.02
スコティッシュフォールド
15歳 オス
ネコ・アトピー性皮膚症候群
このネコちゃんは、特に目の周りの皮膚炎を年に何回か繰り返しています。 治療をすれば一旦は落ち着くのですが、お薬をやめるとしばらくして悪化してしまいます。 ずっとお薬を飲み続けることも1つの選択肢です。 また、繰り返す頻度 […]