
【毛包虫症 】ってどんな病気
特に犬の毛穴に寄生している毛包虫が、過剰に増殖すると痒みが出たり、毛穴が黒く点々となったり、皮膚が赤く黒くなったりと言った皮膚炎を引き起こします。なかなか治り切らない、「しつこい」皮膚の病気でした。なぜ過去形なのかというと、今は全くと言っていいほど、「見なく」なったからです。ノミとマダニを予防する飲み薬が、この毛包虫にも効果があることがわかりました。最近は予防薬としてスポットタイプ(背中に液体を垂らすもの)よりも、この飲むタイプのものを使用することが圧倒的に増えたのです。図らずもノミとマダニを予防していると、毛包虫も駆虫してしまっているのです。毛包虫症は、過去の病気なのかもしれません。
【毛包虫症 】になる原因
毛包虫は、見渡す限り、どの犬の皮膚にも生息しています。ただ、普通は過剰に繁殖することはありません。しかし、免疫疾患や腫瘍性疾患、ホルモン疾患等になると、皮膚の免疫力が低下し、毛包虫が過剰に繁殖する場合があります。これが毛包虫症です。つまり、毛包虫症があると、免疫疾患や腫瘍性疾患、ホルモン疾患等を疑う必要にかられるのです。子犬の場合は、また別ですが。
【毛包虫症 】の検査方法
毛穴にいる毛包虫をかき出して、顕微鏡で見つけることで診断します。毛穴は思ったよりも深いので、毛包虫症の犬でも、検査で毛包虫が見つかる可能性は、50%とされています。

【毛包虫症 】の治療方法

以前はイベツメクチンという駆虫薬を投与していました。なかなかコントロール出来ずに、困ったことも多かったものです。しかし、前述した通りこの毛包虫症は、過去の病気になってしまったのかもしれません。最近は本当にお目にかかれません。若い獣医師は、この病気を見たことがないかもしれませんね。毛包虫のことを考えると、ノミ・マダニはしっかり内服薬で予防しましょう。

症例紹介
Case Studies